きらず

きらず(卯の花)の魅力を再発見

「きらず」とは、江戸時代のおから、卯の花の別称です。

江戸時代、おからのことを関東では「卯の花」と言い換えていたのに対し、関西(特に京都)では「きらず」と呼んでいたそうです。現代において、おからの別称は全国的に「卯の花」と知られていますが、九州・大分や山陰・島根などの地域では今でも「きらず」が使われているそうです。

店主は落語が大好きです。上方落語の中に「きらず」がキーワードになっている演目もあります。
その一席が桂米朝の得意な「鹿政談」です。

その中に出てくる「きらず」の場面をちょっとだけ・・・。

オカラのことを関東の方では「卯の花」と言いまして、関西では昔「キラズ」と言うたもんです。卯の花は分かりますわ、白おてパラパラとなって卯の花みたいやけど、キラズが分からん。「何でキラズと言いまんねん?」と聞きました。「豆腐は切って食べる、オカラは切れへんさかい切らずや」何でそんな苦労して言いえんならんかいうと、カラという言葉はゲンの悪い言葉でしてね、ことに我々のよおな興行ものの世界で客席が空(カラ)てな、こんな困ったことはないんで、これを言い換えるんですな、キラズて。むかし楽屋で、「オカラ買おてこい」てなこと言うたら張り倒されたもんで。「なんちゅうゲンの悪いことぬかすねん、キラズを買おてきて、オオイリにせえ」あれ、炒りつけるよおにして炊くもんでっさかいな。「キラズで大炒り(大入り)にせえ」芸人ちゅうもんはしょ~もないことで喜んでた、空と大入りえらい違いやさかい。(桂米朝の落語集より抜粋)

小生の年齢がバレてしまいますが、今から25年以上前の二十歳(はたち)のとき。中学校の恩師が行きつけの店に連れて行ってくれました。東京・吉祥寺にある大分の郷土料理店でした。そこで初めて食べた料理が「きらずめまし」。甘酢で味付けしたおから(きらず)をカツオにまぶしたもの。
上方落語「上燗屋」に出てくる「からまぶし」にも近いと思われます。
落語好きだった店主は、小学時代に「子供のための落語講座」という本を読み、「きらず」がキーワードになる演目「鹿政談に感動しました。さらに大学時代には、恩師に御馳走になった「きらずまめし」に舌鼓を打ちました。この2つの東京の思い出の糸が、まさに神戸でつながり、よしみ亭出発の原点になったのでした。
「きらずと豆富で創作惣菜を考えよう」・・・それがよしみ亭の流儀です。